本当に知らないと損をする借入戦略

会社を設立して事業を開始したあとで、銀行とどのように付き合うかが大切です。

 

特に、将来会社を大きくしたい人にとっては、自己資金だけでは限界がありますから

特に重要になります。

 

銀行との付き合いも、人と人とのつき合いと同じように、当社のことを知ってもらう、

理解してもらうことから始まります。

 

本当に知らないと損をする借入戦略。 

 

そのような観点から、借入の勉強をしましょう。

 

T.借入戦略を考える1

巷では借入のテクニックなどが宣伝されていますが、借入にテクニックはない!

 

U.借入戦略を考える2

借入戦略の王道は、内部留保を厚くすること。

 

V.借入戦略を考える3

普段からの銀行との付き合い方を考える。 

 

W.借入戦略を考える4

借入の実績作りも重要です。

 

X.借入戦略を考える5

銀行も倒産する時代・よく考えて選ぶ。 

 

Y.借入戦略を考える6

「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」では、財務面に

おける代表者との一体性を評価するように説明されています。  

 

Z.借入戦略を考える7

今の銀行員は担当する会社の数が多く、すべてを回ることができない。

積極的に、会社の内容を説明しよう。

 

[.借入戦略を考える8

私は、顧問先の会社の資金繰りを考えるときに、日本経済の状況、企業業績、

企業倒産件数、貸出金利の動向、国の支援策など様々な情報を分析して銀行

とのお付き合いを考えています。

 

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▼連載「政府系金融機関の各種貸付ガイド」

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借入戦略を考える1・借入にテクニックはない!

よく銀行からうまく借入する方法なるものを宣伝していますが、基本的にうまく借入する

方法(テクニック)はないと思います。

 

会社の経営内容が悪く、お金を貸しても返済が期待できないような場合には、銀行は

貸してくれません。

 

どんな場合でも借入できるわけではありませんから「借入にテクニック」はないのです。

 

ただ、本来は借入できるのに銀行に対して説明がうまく出来ず借入できないことは

あります。

 

ですから、借入するにあたって社長に同行したことは何回もあります。

 

今は優良企業で銀行からお金を借りてくださいと頼まれるような会社がありますが、

その会社も経営が軌道に乗るまでは資金繰りに苦しみました。

 

その会社の社長は脱サラで、今まで銀行借入の経験がなくどのように銀行と接したら

よいか判らなかったのです。

 

そのときは、社長に代わって業界のこと、会社の現状、来期以降の業績見込み等を

説明しました。

 

無事に借入できたのは言うまでもありません。

 

また、どんなに優良会社でも無借金で経営している会社はほとんどありません。

 

会社を運営していると設備投資などで一時的に多額の資金を必要とする事が

あるからです。

 

このような場合は、設備投資後の収支計画表などを作成し計画の妥当性を

説明するのです。

 

このようなことは、テクニックではありません。

 

当たり前のことなのです。

 

最近は会社の業績が悪いときでも、債務超過でなければ借入できることも多くなりました。

 

該当する会社の方は、あきらめずに借入の相談をしてください。

 

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借入戦略を考える2・借入するための戦略は必要!

会社を設立して事業を大きくするには銀行との付き合いが大切です。

 

会社の将来を左右する機械設備の新増設、新規出店等をするには設備資金の

借入が必要だからです。

 

借入にテクニックはない!」のですが、借入するための戦略は必要です。

 

会社を大きくしたいならば、設立間もない頃は節税を考えるより、会社の純資産の部が

充実するまでは利益を出し税金を納め内部留保に勤めなければなりません。

 

私は銀行とお付き合いがあり顧問先の会社を紹介することがありますが、銀行の

担当者からは純資産の部を良くして下さいと言われています。

 

純資産の部を良くすると言うことは、利益を出し税金を納めて内部留保を増やすことです。

 

最近の銀行のビジネスローンなどの審査は、決算書のデータをコンピュータに入力し、

自動的に融資の可否と貸出金利を決定します。

 

ですから、決算書の内容が重要なのです。

 

これは、自分がお金を貸す立場になったと考えれば当然です。

 

あなたが銀行員だったとしたら、利益の出ない会社にお金を貸しますか。

 

お金を貸す場合、出来るだけ利益の出ている会社に貸したいのではないでしょうか。

 

利益の出ていない会社に貸した場合、約束通りに返済できないかも知れません。

 

だから、そういう場合は貸出を断るか、貸出をする場合でもリスクを考えて高い金利を

取るのです。

 

会社の利益を出来るだけ少なくし、結果として税金を収めていないのに、借入は

うまくやりたいと思ってもそんなに都合のよい話はありません。

 

私は、一生懸命がんばって利益を出し、税金を多く納めるが、その結果、低金利の

資金を借入できればそのほうが会社にとって良いと話しています。

 

また、より多い金額を借りることが出来るのです。

 

例えば、日本政策金融公庫からの借入が普通なら500万円のところ、利益が多く

出ている優良会社だと1000万円借入できたりします。

 

利益が多い分返済資金が多いのですから当然です。

 

このように、借入する場合、決算において利益をだすことがいかに大切かお解かり

いただけたと思います。

 

今でこそ、たとえ赤字企業でも信用保証協会の保証により借入できるようになりましたが、

本来は赤字企業では借入できません。

 

自分は将来、会社をどのようにしたいのか。

 

それによって、銀行とのお付き合いも変わるのです。

 

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借入戦略を考える3・普段からの銀行との付き合いが大切!

私の顧問先に現金商売の会社があります。

 

現金商売の会社には、日々の売上を銀行に入金(翌日、土曜日曜の分は月曜日)

するようにお話しています。

 


現金商売は現金管理がすべてですから、手元に現金を置かずに不正が出来ない

ようにするのです。

 


結果として、現金管理がしっかりしているので、税務署対策(売上のごまかしなどの

不正がないと信頼される。)になるとともに、銀行対策にもなるのです。

 


毎日売上を入金しているのですから、銀行に対してアピールできるのです。

 

 

現金管理のしっかりしている会社、経営がしっかりしている会社だと銀行に信頼される

ことは大切です。

 


まして、売上を入金しているので売上の数字が良いときは通帳を見せれば説明が

しやすいのです。

 

 

そして、普段からの銀行との付き合いも大切です。

 

ある日急にお金を借りに行くより、普段から会社の状況を説明しておく事が必要なのです。

 

特に、設備投資の計画は事前に相談することが大切です。

 

また、長い間には一時的に経営状況が悪くなることがありますが、そのようなときに

運転資金を借入することが必要になります。


 

そんなときに、普段から会社の内容をよく説明し、今まで決算の内容がよく内部留保が

ある会社であれば、銀行もスムーズに貸してくれます。

 

 

しかし、今までの決算でも利益が出ていない会社だった場合、借入できないかも

しれません。

 


実際に、今経営に苦しんでいる会社が、過去において銀行との関係もよく、内部留保も

あるので、いまだに銀行の評価が高く、借入に困らない現実があります。

 


経営には目先の利益に対する税金にこだわるだけでなく、長期戦略が必要だと

思っています。

 

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借入戦略を考える4・借入の実績作りも大切!

私の顧問先にある優良会社があります。

 

その会社に資金需要があったので銀行を紹介しました。

 

借入の必要額は1000万円だったのですが、銀行は5000万円まで貸せるといい、

もっと借りてくださいと要請してきました。

 

その時に社長から相談があったのですが、私は借入の実績作りも必要なので借入を

増やすように進言しました。

 

今は、5000万円まで貸せると言うことだったのですが、日銀は金利と資金供給量の

調整を政策として行っており、その動向によっては将来も同じように銀行借入できる

保証はありません。

 

幸いに今は金利も安いので、借入増を勧めたのです。(金利は会社の経費になります。)

 

実際は2000万円借入したのですが、きちんと約定通りに返済すれば、将来多少

金融が厳しくなっても2000万円借入し返済したことは、実績となるのです。

 

貸す立場で考えますと、理想的な融資は1000万円貸出してきちんと約定通り

返済をしたので、次は2000万円貸出そうということだと思います。

 

 

このように、過去の融資と返済の実績は評価されるのです。

 

 

サラリーマンの方が住宅を買う場合に、普通は頭金を用意し住宅ローンを組み

ますが、その場合、初めての付き合いでも住宅ローンを組むことが出来ます。

(たとえそうであっても、住宅ローンの延滞、焦げ付きが多くなれば、審査は厳しく

なります。それをもって、貸し渋りだと言った人がいますが、銀行から見れば

当たり前のことです。)

 

 

これは、政策的に住宅ローンが優遇されているためで、事業用の不動産の購入の

場合は、まったく初めてでローンを組むのは非常に難しいと思います。

 

 

実際の経済は生き物であり、小渕恵三氏が総理大臣の時のように5000万円までの

無条件融資(保証協会の保証)というようなこと(実際には考えづらいのですが)が

あるかも知れません。

 

 

また、会社の資金需要もその時々で変わるので実際の銀行とのつきあいも単純では

ありません。

 

 

銀行との付き合い方に慣れていない経営者の場合、私は一緒に長期戦略を考えます。

 

 

そして、それに基づき経営者と一緒にそのつど考えるのです。

 

 

皆さんも研究してください。

 

 

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借入戦略を考える5・銀行も倒産する時代です!

今までは、自社の経営内容がよければ銀行借入に困ることはありませんでした。

 

しかし、これからは違います。

銀行も倒産する時代だからです。

 

金融危機の時に私は『神に祈る気持ち』になったことがあります。

 

私の顧問先の会社の取引銀行が、週刊誌等で「あぶない銀行」のリストに

載っていたからです。

 

もし、その銀行が倒産した場合、手形割引等に影響が出て資金繰りに影響が

出るのが確実でした。

 

その時は、いつも気にしていて、金融ビジネス等の専門誌、週刊誌から

日刊ゲンダイ等まで関係する記事はもれなくチェックし情報収集しました。

 

そして、社長には「悪い噂が出ているけれど大丈夫です」とよく話したものです。

 

こちらの業績がよければ、すぐに次の銀行を探すのですが業績が悪い場合は、

簡単にはいきません。

 

業績が良いときから付き合いがあり、一時的に業績が悪くなったのなら面倒を

見てもらえますが、そうでない場合は難しいのです。

 

このように、借入戦略というのは業績の良い時に将来のことも考えて、

進めるものだと思います。

 

そして、取引銀行の業績、資金量等も考えるのは言うまでもありません。

 

銀行に余力がないと充分な資金の借入が出来ないのですから当然です。

 

都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合など金融機関の企業規模も

様々です。

 

 

自社の企業規模と将来の資金需要を考えて、取引金融機関を考えてください。

 

 

ぜひ顧問税理士さんとも、相談してください。

 

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借入戦略を考える6・金融機関の自己査定!

金融機関は自己査定により貸出先のランク付け(債務者区分)を行います。

 

債務者区分とは

「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質要破綻先」「破綻先」の5区分をいいますが、

「破綻懸念先」以下の区分では融資が受けられなくなります。


会社の業績が悪くなりますと、「正常先」から「要注意先」に区分が変わりますが、

それが長く続き債務超過になりますと、「破綻懸念先」になり、融資が受けられ

なくなるのです。

 

その債務者区分の基準として「金融検査マニュアル」を適用しています。

「金融検査マニュアル」とは、金融庁の検査官が金融機関を検査する際の

手引書と位置づけられるものです。

 

「金融検査マニュアル」では、債務者区分の判断にあたっては、債務者の

経営実態を総合的に勘案して判断し、金融検査マニュアルの基準を機械的・

画一的に適用してはならないとしています。

金融庁ホ−ムページより

 

しかし、それだけでは不十分で、中小企業の債務者区分については、財務面に

おける代表者との一体性、企業の技術力、販売力や経営者本人の信用力等を

検査の際にきめ細かく検証することが必要です。

 

そこで、平成14年6月、

「金融検査マニュアル」を中小企業等の債務者区分などの検証にどのように

適用するかについて、その検証のポイントと具体的な運用例をまとめた

「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」を作成し、公表したのです。

金融庁ホームページより


 

今までは、業績の悪い会社が債務超過になったときに、社長借入金があれば、

借入金を資本金に充当し増資することにより、自己資本の充実を図りました。

 

 

しかし、増資することは、登記費用、法人地方税均等割額の増加

(資本金が1千万円を超える、5千万円を超える場合等)

など、その負担がばかになりません。

 

 

そこで、増資をしない場合に、社長借入金を資本と同じと銀行に説明するように

話したこともあります。

 

 

「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」では、このような財務面に

おける代表者との一体性を評価するように説明されています。

 

 

今までは、私の判断でこういうように銀行に説明して下さいと言っていたことが、

「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」のように評価してくださいと

銀行に言えるのです。

 

 

それにより、債務者区分が「要注意先」のままで、「破綻懸念先」に変更に

ならずにすむのです。

 

 

その結果、融資に影響が及ばないように出来るかも知れないのです。

 

 

このことは、私たち中小企業にとって大変ありがたいことだと思います。

 

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借入戦略を考える7・こちらから情報提供する!

「借入戦略を考える6」では、企業の経営状況が悪化したときに、銀行の自己査定の

評価が下がらないように工夫し、「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」を

活かすことを説明しました。


金融庁が苦労して、「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」を作成し

公表しているのですが、実際の現場ではばらつきがあるようです。


民主党の藤末健三参議院議員は、平成19年10月10日に政府に対して質問主意書を

提出しています。

その内容は、以下の通りです。

金融庁による金融機関の検査に関して、中小企業への融資については、貸しはがし等を

防ぐため、融資リスクを加減する「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」

(以下「マニュアル」という。)が存在するが、実際にはそのマニュアルの運用が適正に

行われていないと聞く。

 このような事態を踏まえ、以下質問する。

一 マニュアルの周知徹底状況を明らかにされたい。また、的確なマニュアルの

適用はなされている状況か。政府の認識を明らかにされたい。

二 過度に検査に反応している地方銀行などへのマニュアルに基づく指導について、

現状を明らかにされたい。また、政府はその指導を行っているのか。

政府の認識を明らかにされたい。

  右質問する。

 

これから分かることは、国がどんなに良い制度を作っても、簡単には実行されない

ことも多いということです。

 

まして、金融危機の時に破たんした銀行は、自己査定が甘く引当が不足していると

言われました。

 

そして、このマニュアルは甘く自己査定しろと言っているのです。

これでは、銀行も実際にはどのようにマニュアルを適用していいか戸惑いが

あるのかも知れません。

 

だから、私たちも勉強し理論武装して主張することも、時に応じて必要なのです。

 

決算書に出ていないことを評価するわけですから、こちらから情報を提供する、

アピールしないと銀行ではわからないことも多いのです。

 

良いことはこちらから積極的にアピールすることも、考えたい。

 

昔は、銀行の担当者もまめにお客様のところを回っていましたが、いまでは担当する

会社の件数も多く、とても回りきれません。

 

そんなこともあり、担当している会社の内容をどれだけ理解しているか疑問の担当者も

いるのです。

 

銀行の担当者が来ない時は、こちらから積極的に銀行に挨拶に行くことも

必要なのです。 

 

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借入戦略を考える8・政府系金融機関を除けば銀行も民間企業!

借入戦略を考えるということで記事を書いてきましたが、ここで注意したい

ことがあります。

 

まず、銀行、信用金庫、信用組合などの金融機関は、民間企業であると

いうことです。

 

ですから、銀行にも資金繰りがあり、業績が悪くなれば貸出する余力がなくなります。

 

また、当然に日本j経済の状況などにも行動が左右されるのです。

 

銀行と言えば、貸し渋りが問題になりますが、たとえば土地の価格上昇時には

積極的に不動産融資を増やしますが、価格下落時には融資をしぼるのです。

 

不動産業者に土地購入資金を貸出し、不動産業者が土地を購入後に土地価格が

下落すれば、不動産業者は損をして売却するようになります。

それでは、融資金を回収できないので慎重になるのです。

 

また、一般向けの住宅ローンでも、既存のお客さんの返済が遅延し延滞が増えれば

新規融資に慎重になるのは、当たり前のことなのです。

 

このようなことを考えずに、ただ前と融資態度が違う、貸し渋りだと言っても

融資は受けられません。

 

そのような銀行の融資態度なども勘案して、お付き合いをしなければいけないのです。

 

ですから、今現在は資金繰りに余裕があっても、業績が不透明で近い将来に

資金不足になる心配があるのであれば、今のうちに少し多めに借入しておくと

いう判断もあるのです。

 

私は、顧問先の会社の資金繰りを考えるときに、日本経済の状況、企業業績、

企業倒産件数、貸出金利の動向、国の支援策など様々な情報を分析して銀行

とのお付き合いを考えています。

 

そして、そのような分析を顧問先の社長に説明し、銀行との取引に役立てて

貰っています。

 

皆さんも、ぜひ考えてください。

 

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